タイ、ラオス、クメール、ビルマ、ベトナム語
言語の系統と文字の系統は別のものです。
東南アジア大陸部の言語のうち,言語系統としてはタイ語(シャム語),ラオス語(ラオ語)はタイ・カダイ諸語に属し,互いによく似ていますが,カンボジア語(クメール語)は、オーストロアジア語族のうちのモン・クメール語族に属しています。
また,ビルマ語(ミャンマー語)は,チベット・ビルマ語族に,ベトナム語はモン・クメール語族に分類されます。
文字の使用は文化の伝播と関係しています。東南アジア大陸部は歴史的に南インドとの関係が深く,紀元前後にはモン人(現在はミャンマー南部に多く住む)とクメール人とがインドの影響を受けて,モン文字,クメール文字の原形が使われるようになりました。モン文字からビルマ文字が生まれ,クメール文字からタイ文字,ラオス文字が生まれました。
文字体系上の共通点
タイ文字,ラオス文字,クメール文字などの東南アジア大陸部の文字は,以下のような南インド系文字の古い特徴を共有しています。
- 左から右に横書きされる。
- 子音字を中心に母音記号を上下左右に配置する「音節文字」である。
- 子音字の文字幅は,文字によって大きく異なる。(プロポーショナル)
- 単語が分かち書きされない。(現代インド文字は単語で分かち書きされる。)
上記文章は、東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所(通称「AA研」)の文章を参照させていただきました。