中国の財務諸表の特徴

中国の財務諸表もIFRS(国際財務報告基準)に則った形式ですので日本の財務諸表と基本は同じです。

1.営業利益に金融収支が含まれる

日本の財務諸表と中国の財務諸表は、基本的に同じですが、大きな違いとして、中国の財務諸表には「経常利益」という概念がないため、営業利益に金融収支が含まれた形式で算出されます。金融収支とは、資産の運用によって受け取った、有価証券利息・受取配当・受取利息・有価証券売却益などです。

2.中国の財務諸表で使われる勘定科目用語

中国の財務諸表で使用される勘定科目の用語を日本語との対比で紹介します。

日本語中国語日本語中国語
サービス業服務行業収支バランス收支平衡
販売費および一般管理費銷售費和一般管理費所得税所得税
プレミアム付き増資溢價増資上場上市
ベンチャーキャピタル冒險/投机資本剰余金盈余,剰余金
ベンチャービジネス風險/投机事業人員削減裁員,裁減人員
マージン鑽頭,傭金製造業制造業
メインバンク往来銀行税引き前当期利益納税前利潤
運転資金周転資金 設備資金設備資金
営業外収益營業外收入設備投資設備投資
営業外費用營業外費用節税節税
営業権營業権前期繰り越し利益前期入盈余
営業成績營業成績前期損益前期損益
営業損益營業盈虧租税公課租税公共費
営業報告書營業報告総資本回転率總資本周轉率
仮払い金暫付款総資本利益率總戲本利潤率
価格変動準備金价格変動資金増資増加資本
家族手当て家属津貼損益計算書盈虧計算表,損益表
海外投資国外投資損益分岐点保本点
外国法人外国法人貸し倒れ呆帳,倒帳
外注加工費外購加工費貸し倒れ引当金倒帳資金
割引手形貼現票据貸借対照表借貸平衡表
株式公開買い付け出价買股貸付金貸款
株式証券股票退職積立金退休公積金
株主股東棚卸し資産盤存資産
株主総会股東大会担保抵押,担保
株主配当金股息,股東股利短期借入金短期借款
関連業種有関産業長期借入金長期借款
企業年金企業年金,企業養老金投下資本投入資金,投資
期首期初投資有価証券有价証券投資
期末期終当期未処分利益本期未処理的利潤
機械装置机械設備当期利益本期利潤
吸収合併吸收兼并同業他社同行者,同行其他企業
金融機関金融机関特別償却特別折旧
金利利息特別損失特別損失
偶発債務意外債務特別利益特別利潤
繰延べ資産延期資産内部留保内部保留金
経営分析経營分析配偶者控除配偶減免税
経常収支比率経常收支率買掛金(貝人/示)購銭
経常利益経常利潤売り上げ原価銷售成本
計上記録,列入売掛金(貝人/示)銷貨款
権限の委譲授権売上高銷售額 
減価償却費折旧費売上総利益率毛利率
現金預金現金存款評価損評估虧損
固定資産固定資産不良在庫不良庫存
固定資産売却益固定資産出售利得扶養控除撫養家属津貼
固定資産売却損固定資産出售虧損福利厚生費福利衛生費
固定長期適合率固定資産占長期資本的合適率平均賃金平均工資
固定負債固定負債保証債務保証債務
財源財源法人税法人税
財務管理財務管理法人税および住民税法人税及居民税
支払い利息支付利息法定準備金法定儲備金
支払手形應付票据,支付票据無形固定資産無形固定資産
資金繰り資金周轉有形固定資産有形固定資産
資金効率資金周轉效率与信信貸,貸記,信用
資本金資本,資本金利益利潤,盈利
持ち株制度持股制度裏書き背書,簽注
自己資本比率自己資本比率流通資本流動資本
借入金借款流動資産流動資産
受取手形應收票据流動負債流動負債
受取利息收領利息 労務費人工費,勞務費

3.中国の会計監査制度

a. 日本との監査基準の違い

中国の監査基準は日本のそれとは違い、外資系投資企業は、上場の有無や会社規模を問わず、会計監査が義務付けられており、法人だけでなく駐在員事務所も監査の対象となります。

b. 中国国内全ての会社の決算月は12月末

中国国内全ての会社の決算月は12月末で、そのスケジュールは法律で定められているため、日本の親会社の決算月に合わせて変更することが出来ません。

ですので中国国内にグループ会社を持つ企業は、中国現地法人に仮決算を設定する必要があります。

そして、外資企業も毎年、中国の工商行政管理局に対して監査報告書を提出することが義務付けられていて、提出する報告書は次項で触れる3種類を必要とします。

c. 中国の監査制度で提出する報告書の種類
会計監査報告会计审计报告
税務監査報告税务审计报告
外貨収支報告外汇审计报告