◎ローカライズ(ローカリゼーション)とは?

「ローカライズ」という表現は、もともとはIT業界で使われていた言葉で、ソフトウェアの画面表示などを現地のユーザの慣習に合わせて翻訳することを指していました。

現在では翻訳業界でもローカライズという表現を使用することが一般的になっています。

例えば、日本で上映されている洋画で慣用句が使われていた場合、それをそのまま日本語に直訳しても意味が通じない場合があります。その場合は、「英語の慣用句」を似たような意味の「日本語の慣用句」に置き換えて字幕を作成します。

或いは、日本のアニメが海外に輸出された場合、輸出先の言語に翻訳されるだけでなく、その国の文化や習慣に応じて細かな設定や細かなシチュエーションを変更する場合があります。これもまた一種のローカライズと言えるでしょう。

 

それぞれの国の文化や宗教、習慣、言語表現を大切にしながら必要に応じて変更・修正を加えることで、その社会に受け入れられやすくなります。

例えば、英語の「I could eat a horse!」という表現があります。これは直訳すると「馬だって食べられる」になりますが、実際には「腹ペコだ」という意味です。

欧米人にとって馬は大切でかつ身近な存在であり、馬を食べるということは考えられません。その馬でも食べてしまうくらい空腹だという意味を表しているわけですが、馬肉を食べる習慣のある日本人にとっては、直訳された「馬だって食べられる!」という文章を用いても、インパクトに欠け、本来の「ニワンス」を正確に伝えることはできません。

 

◎「翻訳」、「ローカライズ」と「コピーライティング」の違い。

  • 翻訳

厳密には「翻訳」というのは「言語だけを変更する」作業の事で、基本的には一字一句忠実に訳すのが一般的です。例えば、原文の主語がAである場合は、訳文の主語もAにするのが一般的で、正確であることが何よりも重視されます。

  • ローカライズ

「ローカライズ」は、その言葉が使われている国の文化や習慣、流行、法律、宗教といったさまざまな背景を考慮した上で、その国に合わせた表現に変更することを意味しています。例えば通貨の単位を相手国の通貨に変更したり、暦を仏暦、イスラム暦、和暦、西暦などその国の表記方法に合わせたりするのがローカライズです。

  • コピーライティング

これに対し、商品やサービスを宣伝するための広告文章を異なる文化や習慣などの背景に合わせて作り直すことを「コピーライティング」と言います。ローカライズや翻訳に加えて、ブランディングやターゲティングを意識する必要があるため、より高いスキルが求められるのが特徴です。

 

◎ローカライズを行う際の注意点

実際にローカライズを行う場合、どのような点に気をつけたら良いのでしょうか。

最も大切な事は、対象国の事を深く理解すること。その国の文化や習慣だけでなく、法律、政治、経済、文化、歴史、宗教などを細かく把握しておくことで、より自然で受け入れられやすい文章に仕上げることができるはずです。

外国語版のWebサイトを翻訳をする時には、「ローカライズ」を意識することが大切です。

翻訳会社AAインターナショナルには、主要な東南アジア諸国出身の経験豊富なコーディネーターが常駐し、また、当該国の文化をよく理解した翻訳者、校正者が多数在籍します。「ローカライズ」、「コピーライティング」に関しましても随時ご相談ください。