SDS (MSDS)とは

SDS(Safety Data Sheet : 安全データシート)とは、有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に提供する際に、その製品の性状や取り扱いに関する情報を提供するための文書です。

SDSは、化学物質を扱う全ての人に対する「有害性」に関する情報を提供することを目的としています。

日本でSDSの作成を義務付けている法律は、「化学物質排出把握管理促進法」「労働安全衛生法」及び「毒物及び劇物取締法」の3つです。

SDSは、「MSDS (Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、現在はGHSで定義されているSDS(Safety Data Sheet)に統一されています。

日本では、GHSに対応した法令や規格が整備された2012年以降、SDSというようになりました。国内規格ではJIS Z7253、国際規格ではISO 11014として、その記述内容が標準化されています。

SDSに含まれる項目

化学物質や製品の識別情報

化学品の名前、製造元、製品番号などを含む識別情報が記載されます。

危険性情報

化学物質や製品が、人体や環境に与える潜在的な危険性に関する情報が記載されます。具体的には、急性毒性、慢性毒性、炎症性、感作性、刺激性、腐食性、爆発性、引火性、危険な反応、有害な排出物質などが含まれます。

成分情報

化学物質や製品の成分に関する情報が記載されます。具体的には、成分名、CAS番号、含有量などが含まれます。

処理や取り扱いの手順

化学物質や製品の取り扱い方法、使用制限、貯蔵方法、廃棄方法などが記載されます。また、個人保護具の使用方法、事故時の対処方法、消火方法、放棄物処理の方法なども含まれます。

必要な個人保護具

化学物質や製品の取り扱いに必要な個人保護具が記載されます。具体的には、手袋、安全メガネ、防護服、呼吸器具などが含まれます。

輸送情報

化学物質や製品の輸送に関する情報が記載されます。具体的には、輸送方法、輸送分類、UN番号などが含まれます。

SDSは、化学品を取り扱う企業や団体にとって非常に重要な情報源であり、取り扱いに関する安全性や健康への影響について、また緊急事態が発生した場合の対処方法についても記載されています。さらに、SDSには、法律的な規制や規制機関への連絡先に関する情報も含まれることがあります。

SDSは、国際的に統一された形式である16項目の書式で記載されることが推奨されており、米国では「OSHA(労働安全衛生規制局)のハザードコミュニケーション規制(HazCom)」、欧州では「REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)規則」に基づいて作成されます。

これらの規制は、企業や団体が、安全性を確保し、環境保護に貢献するための重要な指針となっています。SDSは、化学品を取り扱うすべての人々にとって、安全かつ健康的な作業環境を確保するために不可欠な情報源です。また、緊急事態が発生した場合には、正確かつ迅速に対処するために、SDSに記載された情報を適切に活用することが求められます。

SDS(MSDS)の翻訳

翻訳会社AAインターナショナルでは、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、フランス語、ドイツ語なども対応可能です。(・詳細はお問い合わせください。)

化学分野における専門知識と実務経験を有する翻訳者が、翻訳にあたります。